ブログはオワコンなのか。SNSに疲れた僕がGhostで静かに書き続ける理由
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「ブログはオワコン」と言われて始める手が止まる気持ち、わかります。2026年の今、片手間の小遣い稼ぎとしてのブログは確かに通用しません。
ただ、SNSの疲弊が広がる今こそ、自分の場所で長く書ける媒体は再評価されています。鍵は「稼ぎ方」を更新すること、そして自分に合うプラットフォーム(WordPress / Ghost / note)を選ぶこと。
「ブログ オワコン」と検索する人は、毎月およそ390人います(ラッコキーワード調べ・2026年5月時点)。それも、毎年のようにこの語句は再生産される。にもかかわらず、検索結果の上位は「だから戦略次第で稼げます」という同じ結論に収束しがちです。
僕はここで、別の角度から書きます。SNSをやめて約2年、Ghostで4サイトを運用し続けた人間として、「オワコンか/まだ稼げるか」という二項対立の外側に出る——というのが本記事の立場です。
「ブログはオワコン」と毎年検索される本当の理由とは
まず事実から確認します。「ブログ オワコン」のSEO検索ボリュームは、過去12ヶ月で −25.7% 縮小しました。一方で「ブログ オワコン 2026」は +136%、「副業 オワコン」は +133%、「アフィブログ オワコン」は +189% と、絞り込み語が伸びている。
これは何を意味するか。「ブログという行為そのもの」への関心は薄れ、人々は「自分の使い方」「2026年時点の現実」「アフィリエイトという特定の稼ぎ方」のほうに問いを寄せている、ということです。
つまり「ブログはオワコン」という言葉は、書くこと一般を指しているのではなく、ある時期に流行った「アフィリエイト記事を量産して片手間に月数万円」というモデルを指している。そのモデルが、AIによる検索体験の変化、SNS流入の鈍化、Google検索アルゴリズムのアップデートを受けて、確かに通用しにくくなっている。
この区別をしないまま「オワコンか/まだ稼げるか」を議論すると、永遠にすれ違います。
2026年・個人ブログは本当にもう稼げないのか
結論から書きます。月1万円以上を稼ぐ個人ブロガーは全体の約13%、収益化までは半年〜1年かかる——これが2024年時点で公開された業界調査の数字です(アフィリエイトマーケティング協会・2024年調査)。
87%は、月1万円に届かない。「ブログで稼ぐ」を片手間で再現するのは、確かに難しい。
ただ、この13%の中身が変わってきています。SEO一本で稼ぐ層は減り、
- ニュースレター(メール購読)と組み合わせる
- 自作のデジタル商品(ノート、テンプレート、講座)を売る
- 専門ジャンルに絞って権威化する
- 法人案件・寄稿で間接的に売上を作る
——こうした「組み合わせ型」が伸びています。SEOだけに依存する設計は、AIに最初に飲まれる。 一方、書き手の経験と顧客リストを持つ設計は、AIが要約しても代替できません。
WordPressとGhostの構造的な違いを比較したい方は、後段の比較表または#06 GhostとWordPressの違いをご覧ください。
オワコン論が指す「ブログ」とは何か:3層に分けると見えてくる
「ブログ」と一言で語られているものを、3層に分けるとオワコン論の射程が見えます。
1層目: 雑記アフィブログ層
ジャンル無限大、Amazonアフィリエイトと広告で月数万円を狙う層。これは確かに苦しい。GoogleのHelpful Content Update以降、E-E-A-Tが薄い記事は検索上位から弾かれ、AIの直接回答(AI Overview / Google AI Mode)が答えてしまう問いが増えた。この層の「オワコン」判定はほぼ正しい。
2層目: 専門ジャンル特化層
特定のジャンル(ガジェット、保育、医療、税務、デジタルツール、地方観光)に絞り、固有の経験と一次情報で書く層。検索ボリュームは小さくても、記事ごとの単価と信頼が高い。この層は依然として伸びている。 AIは一般情報の要約は得意ですが、書き手の固有体験までは生成できません。
3層目: 自分の場所として書く層
ニュースレター・有料購読・コミュニティを軸に、書くこと自体を媒体として持つ層。NewsletterプラットフォームのSubstack、日本のnote、独自ドメインのGhost運用などがここに含まれる。この層は2024年以降むしろ広がっている。
「ブログはオワコン」という主張のほとんどは、1層目を指しています。2層目・3層目は、文脈が違う。ここを混ぜたまま議論しても、答えは出ません。
WordPress / Ghost / note / Substack 構造比較表
「自分の場所」をどこに置くか。2026年5月時点で実用的な選択肢は、おおむね4つです。
| 評価軸 | WordPress | Ghost | note | Substack |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | サーバー代 月¥800〜1,500 | Ghost(Pro) Starter 月$15〜(年払・約¥2,300〜)/自前ホストはVPS 月¥800〜 | 0円 | 0円 |
| 手数料 | なし(直接課金) | なし(直接課金) | クレカ決済の場合 約14.5%/合計15〜25%(決済手数料5〜15% → 残額に対しプラットフォーム10%・定期購読のみ20% + 振込手数料270円/回) | 合計約13〜16%(プラットフォーム10% + Stripe決済 2.9% + $0.30/件 + 月額サブスク0.5%) |
| メールリスト保有 | プラグイン(Mailchimp等)で自前運用可 | 標準搭載(Members機能) | × プラットフォーム依存 | ◎ 標準搭載 |
| 自由度 / カスタマイズ | ◎ プラグインとテーマで最大 | ○ テーマ自作・API開放 | × デザイン固定 | × デザイン固定 |
| 移行のしやすさ | 移行ツール多数 | エクスポート可能(JSON) | エクスポート可(記事のみ) | エクスポート可 |
| SEO適性 | 強(プラグイン依存) | 強(標準内蔵) | 中(noteドメインに依存) | 中 |
| 向いている人 | プラグインで作り込みたい人・物販アフィ系 | 長く書きたい個人・編集者・ニュースレター運用者 | エッセイ・連載・始めやすさ重視 | 英語圏中心の有料購読型 |
※ note手数料は2026年5月時点のnote公式ヘルプセンター記載値。Substackは公式サポートおよびStripe公開料金。Ghost(Pro)は2025年7月の公式価格改定後の現行価格(年払い基準)。為替は概算。
ひとつ補足します。WordPressは強力で、世界のWebサイトの約43%が使っている事実はそのまま事実です(W3Techs 2025–2026年集計)。プラグインで何でもできる=自分の作り方次第で何にでも化ける——これが最大の強みであり、同時に学習コストの源でもある。「オワコン」と語られているのはWordPressそのものではなく、その上で作られた「量産型アフィブログ」のテンプレートです。
Ghostの自前運用に興味がある方は、#08 Ghost用VPS3社比較を参照してください。日本語UIで使いたい方には#03 Ghost管理画面の日本語化も用意しています。
僕がSNSをやめてGhostで書き続けて見えたこと(2024年〜)
ここから、一次経験の話を一段だけ書きます。
僕は2024年頃にSNSをやめました。きっかけは、友人や無関係の人の情報がノイズに感じ始めたこと、そしてアルゴリズムが生み出す優先順位で「自分が何に興味があるか」が歪んでいくのを自覚したことです。
やめてから約2年、起きた変化は4つでした。
- 友人の近況は、会った時に聞くようになった——実際の会話が増えた
- 見栄を張る投稿のための行動が消えた
- 流行り物に瞬間的に飛びつかなくなった
- 能動的な情報探索の能力が上がった——調べる、読む、比べる時間が戻ってきた
そしてもう一つ。SNSをやめた分の時間が、ブログとニュースレターに移った。Ghostを4サイトで運用し、テーマも自作し、内部から触り続ける中で、僕にとって「ブログ」は「不特定多数に流すコンテンツ」ではなく、自分の思考を畳んでおく場所に変わっていきました。
2026年の今、SNS疲れを語る記事は急増しています。Z世代のSNS離れ、デジタルデトックス、内省ブーム——文脈は違っても、共通しているのは「他人のタイムラインから自分のタイムラインへ戻る」という方向性です。この方向性は、ブログという媒体と相性がいい。 自分のドメインで、自分の順番で、自分のテーマで書ける場所を、人が改めて求め始めている。
これは「オワコン」とは逆の力学です。
オワコンと言われ続けるブログを「続けられる人」の3条件
書き続けられるかどうかは、稼げるかどうかと別の話です。続けられない設計のブログは、収益化以前に止まる。
僕が運用4サイトで観察してきた中で、続いている設計には3つの共通点があります。
条件1: 媒体を「稼ぐ装置」として設計しすぎない
最初から月10万円を狙うと、書く前に手が止まります。「自分のために整理して残す」「読者は0でも自分が読み返す」を起点にする人は、結果的に長く書ける。続いた媒体に、後から収益がついてくる順番です。
条件2: SEOだけに依存しない
検索流入だけを命綱にすると、Googleアップデート1回で記事が沈みます。ニュースレター、SNS(やる場合は1つに絞る)、口コミ、寄稿——複数の経路を持つ人が残っています。
条件3: プラットフォームを使い慣れたら逃げ道を残しておく
特にnoteやSubstackなど閉じたプラットフォームに依存している場合、規約変更や手数料改定で書ける場所が変わります。記事のエクスポート、独自ドメインへの移行ルートを最初から確認しておく。GhostやWordPressを「移行先の選択肢」として知っておくだけでも、書く心理が安定します。
続かなさの構造そのものを掘り下げた記事を、別途「ブログが続かない19の理由」に置いてあります。気になる方はそちらも。
AI時代にブログを書く意味は変わったか
最後に、いちばん根の問いに触れます。
AIが記事を書く時代に、人間が書くブログに意味はあるのか——。
結論から書きます。変わったのは「平均的な情報の価値」だけです。 一般論をきれいにまとめた記事は、AIが0秒で生成する。検索エンジンも、その種の記事を上位に置かなくなった。ここはオワコン化が進行している。
一方で、固有の経験・固有の判断・固有の文体は、AIには複製できません。「僕が何を試して、どこで失敗して、どう判断したか」——この一次データを持っているのは、書いている本人だけです。むしろAI時代だからこそ、一次経験を持つ書き手の価値が上がっている。
書く意味は、こう変わりました。
- 旧: 「情報を整理して読者に届ける」
- 新: 「自分の経験と判断を、固有の文脈で残す」
これは、SEOアフィブログの量産では再現できない設計です。だから1層目はオワコンに見え、2層目・3層目は伸びている。同じ「ブログ」という言葉を使っているだけで、別の媒体になりつつある、ということです。
まとめ
「ブログはオワコン」は、半分本当で、半分嘘です。片手間でアフィリエイトを量産する設計は、確かに通用しません。 一方で、専門ジャンルに絞った一次経験ベースの書き手、ニュースレターやデジタル商品と組み合わせる書き手、そして「自分の場所」を持ちたい書き手にとっては、2026年は始めるのに悪くないタイミングです。
迷っている方へ、選び方の整理を一文で。
- 始めやすさ重視 → note
- 長く書きたい・自分の媒体にしたい → WordPress または Ghost
- 英語圏中心の有料購読型 → Substack
WordPressとGhostの違いをさらに掘りたい方は#06 GhostとWordPressの違いへ、Ghostを始めるためのVPS選びは#08 Ghost用VPS3社比較へどうぞ。
書く場所を決めたら、あとは止まらないこと。続けるかどうかは、「オワコン」という言葉とは関係のないところで決まります。
よくある質問(FAQ)
Q1. ブログはオワコンですか?
片手間の小遣い稼ぎ目的なら通用しません。一方で、自分のテーマで長く書く目的では2026年現在も有効な媒体です。SNS疲弊の広がりを背景に、自分の場所で蓄積できる媒体は再評価されつつあります。
Q2. 個人ブログは2026年にまだ稼げますか?
月1万円以上を稼ぐ人は約13%、収益化までは半年〜1年が目安です(アフィリエイトマーケティング協会・2024年調査)。SEOに頼り切らず、ニュースレターやデジタル商品を組み合わせる設計の人が伸びています。
Q3. noteとブログ(WordPress/Ghost)はどちらがいいですか?
始めやすさはnote、長期運用と独立性はWordPressやGhostです。検索流入を取りたい方、自分のドメインで蓄積したい方は後者を選びます。手数料の総コストはnoteのほうが高くなりやすい点も判断材料です(noteはクレカ決済時で売上の約14.5%、合計15〜25%)。
Q4. ブログをやめてYouTubeに移行すべきですか?
YouTubeは競合が激化しており、「ブログより楽」というほど甘い領域ではありません。書く方が向いている方にとって、ブログは依然として最適解の一つです。動画と文字の両方を必要とするなら、片方の上位互換ではなく併用を検討してください。
Q5. AIに記事を書かれる時代で、ブログを書く意味はありますか?
AIは一般情報の要約に強い一方、書き手の一次経験や固有の判断までは生成できません。固有の体験と思考が乗った記事は、むしろAI時代に価値が増しています。
記事内データは2026年5月時点。MSV出典: ラッコキーワード(requestId 1182357・2026-05-02取得)。収益データ出典: アフィリエイトマーケティング協会2024年調査。WordPressシェア出典: W3Techs 2025–2026年集計。Ghost(Pro)価格は2025年7月公式改定後の年払い価格(公式 ghost.org/pricing)。note手数料はnote公式ヘルプセンター(help-note.com)記載値。Substack手数料は公式サポートおよびStripe公開料金。為替は概算。