noteで有料コンテンツを売り始めた人の多くが、最初の振込を受け取った時に思う。「思ったより少ない」と。

僕も最初はその感覚だった。手数料の引かれ方が直感的にわかりにくく、いくら取られているのか正確に把握できていなかった。

今日は数字を全部出す。


結論——noteの実質手取りは売上の68〜85.5%

まず結論から置く。

noteの有料コンテンツで受け取れる金額は、売上から以下の手数料が差し引かれた後になる。

  • プラットフォーム手数料: 10〜20%(コンテンツの種類・プランで異なる)
  • 決済手数料: 5%前後(Stripeなど決済会社への支払い)
  • 振込手数料: 一定額未満は別途手数料

手数料全体を合算すると、手取りは**売上の68〜85.5%**が目安になる。

言い換えると、100円の記事が売れると受け取れるのは68〜85.5円——最大で32円が手数料として消える計算だ。


手数料の内訳——プラットフォーム・決済・振込の3層

① プラットフォーム手数料(10〜20%)

noteには2種類の有料コンテンツがある。

有料記事(単発販売): プラットフォーム手数料10% 定期購読マガジン(月額サブスク): プラットフォーム手数料20%

定期購読の場合、20%という数字は重く見える。ただし、定期購読は月次で安定した収入が見込めるため、コンテンツ量が増えた段階では単発販売より収益性が高くなるケースも多い。

noteプレミアム(月額500円)に加入している場合

noteプレミアム会員は有料記事の手数料が10%から5%に下がるという記載がある(note公式ページ・2026年4月確認)。ただし定期購読マガジンの手数料はプレミアムでも変わらない。

② 決済手数料(5%前後)

noteはStripe等の決済会社を通じて課金処理をしている。この決済手数料が売上に対して5%前後かかる。

この手数料はnoteのシステム費用に含まれており、ユーザーが別途Stripeに払うわけではない。だが収益を圧縮する要因であることに変わりはない。

③ 振込手数料・最低振込額

振込は月1回・申請制だ。最低振込額を下回ると翌月に繰り越しになる。また振込手数料(金融機関によって異なる)がかかる場合がある。

少額の売上が積み上がっている段階では振込のたびに小さな手数料が削られていく。年間でまとめると無視できない額になることもある。


単発記事(100円・500円・1,000円)で実際いくら残るか

note公式の手数料(有料記事10%+決済5%)を元に計算する。ここではnoteプレミアムなしの通常会員を前提にする。

販売価格 プラットフォーム手数料(10%) 決済手数料(5%) 手取り概算 手取り率
¥100 ¥10 ¥5 ¥85 85%
¥300 ¥30 ¥15 ¥255 85%
¥500 ¥50 ¥25 ¥425 85%
¥1,000 ¥100 ¥50 ¥850 85%
¥3,000 ¥300 ¥150 ¥2,550 85%

有料記事は計算がシンプルだ。合計15%が手数料として引かれ、85%が手取りになる。

ただしこれに振込手数料が加わる。少額記事を数本売って¥3,000〜¥5,000の残高で振り込むと、振込手数料が相対的に重くなる。


月額マガジン・定期購読での手取り推移

定期購読マガジンは手数料の構造が違う。プラットフォーム手数料が20%になる。

月額価格 定期読者数 月収 手数料(25%換算) 手取り(月)
¥500 10人 ¥5,000 ¥1,250 ¥3,750
¥500 50人 ¥25,000 ¥6,250 ¥18,750
¥1,000 10人 ¥10,000 ¥2,500 ¥7,500
¥1,000 50人 ¥50,000 ¥12,500 ¥37,500
¥1,000 100人 ¥100,000 ¥25,000 ¥75,000

※手数料はプラットフォーム20%+決済5%の合計25%で計算。

定期購読100人・月額¥1,000で月¥75,000が手取り。年換算で¥900,000だ。

同じ条件をGhostで実現した場合、Ghost自体の手数料はゼロでStripe手数料のみ(3.6%前後)かかる。手取りは約¥96,400——noteより月¥21,400の差が出る。年換算で約¥256,800の差だ。

読者が増えるほどこの差は広がっていく。


なぜ高く感じるのか——心理的に効く3つの要因

noteの手数料が「思ったより高い」と感じる理由には、仕組み的な要因がある。

1. 手数料が引かれた後の金額しか表示されない

売上の明細は確認できるが、日常的に目に入るのは「受取可能残高」だ。最初からそれが自分の取り分として見える形になっている。手数料がいくら引かれたかを計算する手間があるため、実態が見えにくい。

2. 振込タイミングがラグする

申請制で月1回の振込。売れた実感と振込のタイミングのズレが「なんとなく少ない気がする」感覚を生みやすい。

3. 「手数料なし」で始められる設計

noteは無料で始められる。最初は手数料を意識する機会がない。有料コンテンツを出して初めて「取られている」現実に気づくため、落差として感じやすくなる。


「note内リーチ」との引き換えに何を払っているのか

ここが本質的な問いだ。

noteの手数料を払うことで何を得ているかを考えると、答えは主に「note内での発見可能性」だ。タイムライン・おすすめ・ランキングに自分の記事が表示され、note内を回遊するユーザーに届く仕組みが手数料に含まれている。

SEOで外部から検索流入を取れる段階になった場合、このnote内のリーチ効果は薄れる。逆にnoteのコミュニティにまだ依存している段階では、手数料はnote内ユーザーへのリーチへの対価と解釈できる。

「手数料が高い」と「手数料に見合う価値がある」かは、どのフェーズにいるかによって変わる。

僕の見方を言う。ゼロから立ち上げる段階(フォロワーゼロ・検索流入もゼロ)であれば、noteのプラットフォームコミュニティの恩恵はある。読者が一定数ついて検索流入が立ち上がった段階では、手数料ゼロの選択肢を改めて検討する価値が出てくる。


移る前にやるべき損益計算——エクスポート・読者告知・ドメイン

noteから他サービスに移行するか判断する前に、以下を計算する。

現在の月収と手数料の実額を出す

直近3ヶ月の平均売上と振込額の差を計算する。差額が毎月¥3,000を超えているなら、年間で¥36,000以上が手数料に消えている。

移行コストを見積もる

  • 記事の移行作業(noteのエクスポート機能で一部テキストは取り出せるが画像は手動)
  • 独自ドメインの取得(年¥1,000〜¥2,000前後)
  • 新しいサービスのセットアップ時間(Ghost Proなら登録〜公開で数時間)
  • 読者への移行告知と、旧記事URLのリダイレクト設定

読者が付いているなら「並行期間」を設ける

いきなりnoteを閉鎖するのはリスクが高い。Ghost等の新サービスを立ち上げて数ヶ月並行して運用し、検索流入と読者が新サイトに移ってから徐々に比重を移すのが現実的だ。

移行先の選び方についてはnoteからの引越し先5選でまとめている。


まとめ

noteの有料コンテンツの手数料は、有料記事で15%・定期購読マガジンで25%が目安だ。

「高い」と感じるか「適正」と感じるかは、noteのコミュニティ内リーチをどれだけ必要としているかによる。

ゼロから立ち上げる段階ではnoteのプラットフォームに乗る価値がある。読者が一定数ついた段階では、Ghost Proのような手数料ゼロの選択肢を比較する意味が出てくる。

自分の今のフェーズと照らし合わせて判断してほしい。


手数料・仕様は執筆時点(2026年4月)のnote公式ページを元にした。変更の可能性があるため、最新情報はnote公式ヘルプで確認すること。