noteからGhostへ記事を移したい——。

手数料への不満、デザインの自由度、検索流入への限界——理由はさまざまだが、実際に移す段階になると「何から手を付けていいのか」で止まる人が多い。記事をコピペで1本ずつ移すか、エクスポートから一括で入れるか、画像はどうするか、読者にいつ告知するか。

僕も過去に同じ立場だったので、失敗と試行錯誤の結果をベースに書く。今日は、noteからGhostへの移行手順を非エンジニア向けにまとめる。


移行の全体像——記事・画像・読者・リンクの4要素

移行で扱うものは以下の4つだ。

  1. 記事本文(テキスト・書式): 投稿した記事のHTMLもしくはMarkdown
  2. 画像: 記事中に埋め込んだ画像ファイル
  3. 読者(フォロワー・有料購読者): メールアドレスが入手できるかどうかがポイント
  4. URL(被リンク・検索流入): 既存のnote記事URLの扱い

この4つそれぞれで「自動で移せるもの・手動が必要なもの・移せないもの」が分かれる。最初に把握しておく。

要素 noteでの対応 推奨移行方法
記事本文 エクスポート機能あり(制限つき) 1本ずつコピー or 自動スクリプト
画像 エクスポートに含まれない 手動で再アップロード
無料フォロワー メアド取得不可 移行告知→再登録してもらう
有料購読者 メアド取得可(期間限定) 事前にダウンロードして登録
URL リダイレクト設定は不可 新旧記事に相互リンクを貼る

noteからの記事エクスポート——現状できること・できないこと

noteには記事エクスポート機能がある。2026年時点の仕様は以下の通りだ。

個別記事のエクスポート

  • 各記事ページ → 右上の「⋯」→「テキストをダウンロード」
  • プレーンテキスト(.txt)形式でダウンロード可能
  • 書式(太字・見出し・リンク)は失われる
  • 画像は含まれない(リンクのみ残る)

マガジン一括エクスポート

  • マガジンの管理画面 → マガジン編集 → 記事一覧
  • 残念ながら「まとめてエクスポート」ボタンはない
  • 1本ずつ手動でエクスポートする必要がある

有料記事のエクスポート

  • 有料記事も同様にテキストダウンロード可能
  • 購読者リストは別途ダウンロードする機能が限定的

購読者のメアドリスト

  • 定期購読マガジンの運営者は、管理画面から購読者リストの一部がCSV出力可能(機能は随時変更されるため最新情報は公式で確認)
  • 無料フォロワーのメアドは取得できない

つまり、書式と画像が失われる上に、読者リストも完全には持ち出せない。この制約を前提に移行計画を立てる必要がある。


GhostへMarkdownで取り込む手順

noteからエクスポートしたテキストを、Ghostに流し込む。

手順1: noteの記事をMarkdownに整形する

noteのエクスポートはプレーンテキストで書式が失われるため、Markdownに変換する作業が発生する。

  • ** で太字
  • # ## ### で見出し
  • - で箇条書き
  • [text](url) でリンク
  • > で引用

記事数が10本程度ならこの手作業で十分だ。50本を超える場合はVSCodeの正規表現置換等で効率化する。

手順2: Ghostの新規投稿で取り込む

Ghost管理画面 → Posts → New post を開く。Lexicalエディタが立ち上がる。

  • 見出しは /Heading 1Heading 3
  • 箇条書きは /Unordered list
  • 画像は /Image
  • コードブロックは /Markdown

MarkdownブロックにMarkdown形式で直接貼り付けるのが最速だ。貼り付けた後、自動的にリッチテキストに変換される。

手順3: タイトル・メタ情報の設定

  • Title(タイトル)を元のnote記事と同じか、SEO最適化で改善
  • Feature image(カバー画像)を指定
  • Tags(タグ)を設定
  • Excerpt(抜粋)を100文字前後で記入
  • URL slug(スラッグ)を設定(英数字がURL共有時に扱いやすいが、日本語スラッグも動作する)

手順4: Ghost Admin APIで自動化(エンジニア向け)

Node.jsで書ける人なら、Ghost Admin APIを使ってスクリプトで一括投稿できる。100本を超える記事を移す場合はこの方法が現実的だ。本記事の範囲外のため詳細は別機会に扱う。


画像の扱い——再アップロード・代替テキスト・サイズ

noteの記事内で使っていた画像は、noteサーバーに置かれている。移行に際してこの画像をどう扱うかが悩みどころだ。

選択肢1: 画像を再ダウンロードしてGhostにアップロード

  • noteの記事ページで画像を右クリック → 画像を保存
  • Ghost管理画面で記事編集 → 画像ブロックに再アップロード
  • 時間はかかるが、Ghost側に画像データが残る(noteサーバー依存を避けられる)

選択肢2: noteの画像URLをそのまま使う

  • 画像タグに直接noteの画像URLを指定
  • 移行作業は最速
  • ただし将来noteのサーバーが画像を消去する可能性がある
  • ホットリンク禁止ポリシーに引っかかるリスクもある

選択肢1を推奨する。一度Ghostに移した画像は自分の資産として使える。noteの将来の変更に依存しない。

画像のサイズ・フォーマット

  • Ghostは自動的に複数サイズの画像を生成する(webp等)
  • アップロード時は元解像度の高い画像を推奨(最大2000px幅程度)
  • カバー画像は1200×630px(OGP対応)

alt属性(代替テキスト)

画像アップロード時に「Alt text」を必ず入れる。SEO観点でもアクセシビリティ観点でも重要だ。noteでは手抜きしていた箇所もGhost移行のタイミングで整える。


読者への告知と、noteの旧記事をどうするか

移行で一番神経を使うのが、読者への告知と旧記事の扱いだ。

告知のタイミング

新サイトをセットアップ→コンテンツをある程度移す→告知、の順序を推奨する。

  • いきなり「noteを閉じます」と告知するのは逆効果
  • 新サイトの準備が半分できた段階で軽く予告
  • 1ヶ月以上の並行運用期間を設ける

告知の媒体

  • noteで「お知らせ」記事を1本書く
  • 有料メンバーにはメール(DM機能・コメント)で直接連絡
  • X(Twitter)やその他SNSで予告

告知文の要素

  • 移行先のURL
  • 移行理由(手数料・カスタマイズ・サイト主権など。ポジティブに)
  • 新サイトで何が新しくなるか
  • 旧note記事は当面残す・順次閉じていく等の方針
  • 有料購読者への個別案内(料金・移行手続き)

旧記事の扱い方

3つの選択肢がある。

  1. そのまま残す: 検索流入は続くが、note手数料も続く
  2. 一部を削除して、新サイトへの誘導を置く: 読者の混乱を招きやすい
  3. 全て削除する: 過去の検索流入が一気に消える(リスク大)

推奨は1の「そのまま残す」。新サイトを育ててから、状況を見て段階的に対応する。


リダイレクトとSEO——失うものと守るもの

noteからの「301リダイレクト」(検索エンジンにURLの移動を伝える仕組み)は設定できない。noteは独自ドメインでもサブドメイン運用のため、リダイレクト設定が開放されていない。

失うもの

  • noteの個別記事URLに紐づいた検索順位
  • noteの被リンク(他サイトから貼られたURL)からのSEO効果
  • noteの内部コミュニティからの流入

守れるもの

  • 記事の内容そのもの(新サイトで書き直せる)
  • ブランド名・著者名(継続性を保てる)
  • 有料読者(事前連絡で移行してもらえる分)

検索流入の再立ち上げに3〜6ヶ月かかる前提で考える

新ドメインの立ち上げ直後は検索流入がゼロに近い。3〜6ヶ月かけてじわじわ上がっていく。この期間の収益減を覚悟しておく必要がある。

独自ドメインの準備をしていない場合は、

お名前.com

等でドメインを取得してGhostに接続する。独自ドメインへの接続手順はGhost Pro初期設定ガイドで扱っている。


移行後の最初の1週間でやること

新サイトを公開した直後の1週間は、細かい調整の連続になる。

1日目: 最低限の運用開始

  • 最新3〜5本の記事を公開
  • お問い合わせフォーム・プライバシーポリシー・特商法表記を整備
  • ニュースレター配信設定(まだ配信はしない)

2〜3日目: 読者への告知

  • noteで移行告知記事を公開
  • SNSで予告
  • 有料購読者に個別メール

4〜5日目: 検索エンジンへの登録

  • Google Search Console に新ドメインを登録
  • サイトマップ(sitemap.xml)を送信
  • Bing Webmaster Toolsにも登録

6〜7日目: 残りの記事を移す

  • 残り記事を順次Ghostに投稿
  • noteの記事の末尾に「最新記事は新サイトへ」のリンクを追加

1週間の終わりに振り返る

  • Ghost Analyticsで流入元を確認
  • 有料購読者の移行完了率を確認
  • 足りない設定を洗い出す

まとめ

noteからGhostへの移行は、技術的な作業より「読者への告知」「SEOの再構築」「並行運用期間の設計」の方が重みを持つ。

移行を決断する前に、自分の現在のnoteの収益と読者規模を把握し、新サイトで同じ水準を維持できるかをシミュレーションする。noteの手数料の計算移行先5選の比較を先に読んでおくと判断材料が揃う。

最短でも3ヶ月、本格的に流入が戻るまで6ヶ月は見ておく。この期間を「育成期」と捉えて、新サイトで何を書くか、どんな読者を集めるかに集中する。

僕自身の感覚で言うと、移行の一番大きな価値はPVや収益の即時性ではなく、自分のドメインで自分のサイトを育てている実感の方にあった。noteで積み上げた資産の全てを一気に移せなくても、長期で見れば手数料ゼロ・データ主権の環境で書き続けることの価値は大きい。


手順・仕様は執筆時点(2026年4月)のnoteおよびGhost 6系の公式仕様に基づく。両サービスの機能は予告なく変更されることがある。契約前・移行前には各公式ヘルプで最新情報を確認すること。