noteからGhostへ記事を移す最短手順——非エンジニア向け2026年版
note
noteからGhostへ記事を移したい——。
手数料への不満、デザインの自由度、検索流入への限界——理由はさまざまだが、実際に移す段階になると「何から手を付けていいのか」で止まる人が多い。記事をコピペで1本ずつ移すか、エクスポートから一括で入れるか、画像はどうするか、読者にいつ告知するか。
僕も過去に同じ立場だったので、失敗と試行錯誤の結果をベースに書く。今日は、noteからGhostへの移行手順を非エンジニア向けにまとめる。
移行の全体像——記事・画像・読者・リンクの4要素
移行で扱うものは以下の4つだ。
- 記事本文(テキスト・書式): 投稿した記事のHTMLもしくはMarkdown
- 画像: 記事中に埋め込んだ画像ファイル
- 読者(フォロワー・有料購読者): メールアドレスが入手できるかどうかがポイント
- URL(被リンク・検索流入): 既存のnote記事URLの扱い
この4つそれぞれで「自動で移せるもの・手動が必要なもの・移せないもの」が分かれる。最初に把握しておく。
| 要素 | noteでの対応 | 推奨移行方法 |
|---|---|---|
| 記事本文 | エクスポート機能あり(制限つき) | 1本ずつコピー or 自動スクリプト |
| 画像 | エクスポートに含まれない | 手動で再アップロード |
| 無料フォロワー | メアド取得不可 | 移行告知→再登録してもらう |
| 有料購読者 | メアド取得可(期間限定) | 事前にダウンロードして登録 |
| URL | リダイレクト設定は不可 | 新旧記事に相互リンクを貼る |
noteからの記事エクスポート——現状できること・できないこと
noteには記事エクスポート機能がある。2026年時点の仕様は以下の通りだ。
個別記事のエクスポート
- 各記事ページ → 右上の「⋯」→「テキストをダウンロード」
- プレーンテキスト(.txt)形式でダウンロード可能
- 書式(太字・見出し・リンク)は失われる
- 画像は含まれない(リンクのみ残る)
マガジン一括エクスポート
- マガジンの管理画面 → マガジン編集 → 記事一覧
- 残念ながら「まとめてエクスポート」ボタンはない
- 1本ずつ手動でエクスポートする必要がある
有料記事のエクスポート
- 有料記事も同様にテキストダウンロード可能
- 購読者リストは別途ダウンロードする機能が限定的
購読者のメアドリスト
- 定期購読マガジンの運営者は、管理画面から購読者リストの一部がCSV出力可能(機能は随時変更されるため最新情報は公式で確認)
- 無料フォロワーのメアドは取得できない
つまり、書式と画像が失われる上に、読者リストも完全には持ち出せない。この制約を前提に移行計画を立てる必要がある。
GhostへMarkdownで取り込む手順
noteからエクスポートしたテキストを、Ghostに流し込む。
手順1: noteの記事をMarkdownに整形する
noteのエクスポートはプレーンテキストで書式が失われるため、Markdownに変換する作業が発生する。
**で太字######で見出し-で箇条書き[text](url)でリンク>で引用
記事数が10本程度ならこの手作業で十分だ。50本を超える場合はVSCodeの正規表現置換等で効率化する。
手順2: Ghostの新規投稿で取り込む
Ghost管理画面 → Posts → New post を開く。Lexicalエディタが立ち上がる。
- 見出しは
/→Heading 1〜Heading 3 - 箇条書きは
/→Unordered list - 画像は
/→Image - コードブロックは
/→Markdown
MarkdownブロックにMarkdown形式で直接貼り付けるのが最速だ。貼り付けた後、自動的にリッチテキストに変換される。
手順3: タイトル・メタ情報の設定
- Title(タイトル)を元のnote記事と同じか、SEO最適化で改善
- Feature image(カバー画像)を指定
- Tags(タグ)を設定
- Excerpt(抜粋)を100文字前後で記入
- URL slug(スラッグ)を設定(英数字がURL共有時に扱いやすいが、日本語スラッグも動作する)
手順4: Ghost Admin APIで自動化(エンジニア向け)
Node.jsで書ける人なら、Ghost Admin APIを使ってスクリプトで一括投稿できる。100本を超える記事を移す場合はこの方法が現実的だ。本記事の範囲外のため詳細は別機会に扱う。
画像の扱い——再アップロード・代替テキスト・サイズ
noteの記事内で使っていた画像は、noteサーバーに置かれている。移行に際してこの画像をどう扱うかが悩みどころだ。
選択肢1: 画像を再ダウンロードしてGhostにアップロード
- noteの記事ページで画像を右クリック → 画像を保存
- Ghost管理画面で記事編集 → 画像ブロックに再アップロード
- 時間はかかるが、Ghost側に画像データが残る(noteサーバー依存を避けられる)
選択肢2: noteの画像URLをそのまま使う
- 画像タグに直接noteの画像URLを指定
- 移行作業は最速
- ただし将来noteのサーバーが画像を消去する可能性がある
- ホットリンク禁止ポリシーに引っかかるリスクもある
選択肢1を推奨する。一度Ghostに移した画像は自分の資産として使える。noteの将来の変更に依存しない。
画像のサイズ・フォーマット
- Ghostは自動的に複数サイズの画像を生成する(webp等)
- アップロード時は元解像度の高い画像を推奨(最大2000px幅程度)
- カバー画像は1200×630px(OGP対応)
alt属性(代替テキスト)
画像アップロード時に「Alt text」を必ず入れる。SEO観点でもアクセシビリティ観点でも重要だ。noteでは手抜きしていた箇所もGhost移行のタイミングで整える。
読者への告知と、noteの旧記事をどうするか
移行で一番神経を使うのが、読者への告知と旧記事の扱いだ。
告知のタイミング
新サイトをセットアップ→コンテンツをある程度移す→告知、の順序を推奨する。
- いきなり「noteを閉じます」と告知するのは逆効果
- 新サイトの準備が半分できた段階で軽く予告
- 1ヶ月以上の並行運用期間を設ける
告知の媒体
- noteで「お知らせ」記事を1本書く
- 有料メンバーにはメール(DM機能・コメント)で直接連絡
- X(Twitter)やその他SNSで予告
告知文の要素
- 移行先のURL
- 移行理由(手数料・カスタマイズ・サイト主権など。ポジティブに)
- 新サイトで何が新しくなるか
- 旧note記事は当面残す・順次閉じていく等の方針
- 有料購読者への個別案内(料金・移行手続き)
旧記事の扱い方
3つの選択肢がある。
- そのまま残す: 検索流入は続くが、note手数料も続く
- 一部を削除して、新サイトへの誘導を置く: 読者の混乱を招きやすい
- 全て削除する: 過去の検索流入が一気に消える(リスク大)
推奨は1の「そのまま残す」。新サイトを育ててから、状況を見て段階的に対応する。
リダイレクトとSEO——失うものと守るもの
noteからの「301リダイレクト」(検索エンジンにURLの移動を伝える仕組み)は設定できない。noteは独自ドメインでもサブドメイン運用のため、リダイレクト設定が開放されていない。
失うもの
- noteの個別記事URLに紐づいた検索順位
- noteの被リンク(他サイトから貼られたURL)からのSEO効果
- noteの内部コミュニティからの流入
守れるもの
- 記事の内容そのもの(新サイトで書き直せる)
- ブランド名・著者名(継続性を保てる)
- 有料読者(事前連絡で移行してもらえる分)
検索流入の再立ち上げに3〜6ヶ月かかる前提で考える
新ドメインの立ち上げ直後は検索流入がゼロに近い。3〜6ヶ月かけてじわじわ上がっていく。この期間の収益減を覚悟しておく必要がある。
独自ドメインの準備をしていない場合は、
お名前.com等でドメインを取得してGhostに接続する。独自ドメインへの接続手順はGhost Pro初期設定ガイドで扱っている。
移行後の最初の1週間でやること
新サイトを公開した直後の1週間は、細かい調整の連続になる。
1日目: 最低限の運用開始
- 最新3〜5本の記事を公開
- お問い合わせフォーム・プライバシーポリシー・特商法表記を整備
- ニュースレター配信設定(まだ配信はしない)
2〜3日目: 読者への告知
- noteで移行告知記事を公開
- SNSで予告
- 有料購読者に個別メール
4〜5日目: 検索エンジンへの登録
- Google Search Console に新ドメインを登録
- サイトマップ(sitemap.xml)を送信
- Bing Webmaster Toolsにも登録
6〜7日目: 残りの記事を移す
- 残り記事を順次Ghostに投稿
- noteの記事の末尾に「最新記事は新サイトへ」のリンクを追加
1週間の終わりに振り返る
- Ghost Analyticsで流入元を確認
- 有料購読者の移行完了率を確認
- 足りない設定を洗い出す
まとめ
noteからGhostへの移行は、技術的な作業より「読者への告知」「SEOの再構築」「並行運用期間の設計」の方が重みを持つ。
移行を決断する前に、自分の現在のnoteの収益と読者規模を把握し、新サイトで同じ水準を維持できるかをシミュレーションする。noteの手数料の計算と移行先5選の比較を先に読んでおくと判断材料が揃う。
最短でも3ヶ月、本格的に流入が戻るまで6ヶ月は見ておく。この期間を「育成期」と捉えて、新サイトで何を書くか、どんな読者を集めるかに集中する。
僕自身の感覚で言うと、移行の一番大きな価値はPVや収益の即時性ではなく、自分のドメインで自分のサイトを育てている実感の方にあった。noteで積み上げた資産の全てを一気に移せなくても、長期で見れば手数料ゼロ・データ主権の環境で書き続けることの価値は大きい。
手順・仕様は執筆時点(2026年4月)のnoteおよびGhost 6系の公式仕様に基づく。両サービスの機能は予告なく変更されることがある。契約前・移行前には各公式ヘルプで最新情報を確認すること。