Ghost Proに登録した直後、管理画面に入って最初に戸惑うのは「どこから触ればいいのか」だ。

UIは英語、設定項目は多い、独自ドメインの設定はDNSの知識を要求してくる——。僕も最初はここで半日溶かした。

今日は、登録〜独自ドメイン接続〜最初の記事公開までを30分で終わらせる手順をまとめる。


全体地図——30分でやることの全体像

先に全体像を置く。やることは6ステップだ。

  1. Ghost Proのアカウント作成・プラン選択(5分)
  2. サイト基本設定(名前・説明・アイコン)(3分)
  3. 独自ドメインの取得と接続(10分)
  4. 公開設定とSEO初期値(5分)
  5. 最初の記事を書いて公開(5分)
  6. 次にやる3つ(メンバー・ニュースレター・テーマ)

このうち一番時間を食うのは独自ドメインのDNS設定反映待ちだ。作業そのものは数分だが、DNSの伝播に15分〜数時間かかることがある。先にドメインを取得しておいて、他の設定を並行で進めるのが効率的だ。

Ghost Proの料金プランで迷っている場合は、先にGhost Proの料金を日本円で解説した記事に目を通してほしい。


アカウント作成とプラン選択の落とし穴

ghost.org/pricing/ から「Start a free trial」で始める。

プラン選択

14日間の無料トライアルの後にプランを選ぶ形だ。最初はStarterを選んで問題ない。Publisher以上に上げる必要が出てきたら後からでも変更できる。

ここで意識したいのは年払いを選ぶか月払いを選ぶかだ。年払いは月払い換算で約2割安い。使い続ける確信があるなら年払いが得だが、「3ヶ月試してから年払いに切り替える」という手もある。14日のトライアル期間中は請求が発生しないため、慌てて年払いを選ぶ必要はない。

サブドメインの決定

アカウント作成時に yourname.ghost.io のような無料サブドメインが割り当てられる。この yourname の部分は後から変更できない。独自ドメインを使う予定でも、ここは将来のメディア名と揃えておく方が安全だ。


サイト名・説明・アイコンの基本設定

管理画面に入ったら、左メニューの Settings → General から基本設定を進める。

Site title(サイト名)

ブラウザタブとSEOの両方に効く最重要項目だ。日本語でも問題なく設定できる。

Site description(サイト説明)

メタディスクリプションの初期値になる。150字前後で「何のメディアか・誰向けか」を一文にまとめる。この文はGoogle検索結果にも表示されることがある。

Publication icon / logo / cover image

  • アイコン: 60×60px以上のPNG/SVG推奨(faviconに使われる)
  • ロゴ: ヘッダーに表示される。高さ40〜80pxが目安
  • カバー画像: トップページのヒーロー部分に使われる。1200×600px以上推奨

この3枚を先に用意しておくと後の作業がスムーズだ。Figmaやカンバで5分で作れる。

Timezone

「Asia/Tokyo」を選ぶ。記事の公開スケジュールがJSTで扱われるようになる。

Publication language

日本語メインなら ja を入れる。RSSのlang属性等に反映される。

Social accounts

Settings → General → Social accounts から、X(旧Twitter)とFacebookの公式アカウントURLを入れておく。記事のシェア時のメタデータや、テーマによってはヘッダー/フッターのアイコンリンクに反映される。


独自ドメインの接続——お名前.comのDNS設定

ここが最初の壁になるパートだ。

ドメインの取得

まだドメインを持っていない場合は、

お名前.com

等で先に取得する。.com なら年間¥1,000〜¥2,000前後だ。

Ghost側でカスタムドメインを登録

管理画面の Settings → General → Publication identity → Site URL から、希望のドメイン(例: yourblog.jp)を入力し「Update」をクリックする。

この時点でGhostから「あなたのドメインを指すDNSをこう設定してください」という指示が表示される。主に以下の2パターンだ。

  • Apex(ルート)ドメイン: yourblog.jp に対してAレコードまたはALIASレコードをGhost指定のIPに向ける
  • サブドメイン: blog.yourblog.jp に対してCNAMEレコードをGhost指定のホスト名に向ける

お名前.com Naviでの設定手順(Apex・Aレコードの場合)

  1. お名前.com Naviにログイン
  2. 左メニューの「ドメイン設定」→「DNSレコード設定」
  3. 対象ドメインを選択して「設定する」
  4. 「追加」から以下を入力
    • ホスト名: 空欄(Apexの場合)または www
    • TYPE: A
    • VALUE: Ghostが指定したIPアドレス
    • TTL: 3600(デフォルトでOK)
  5. 「確認画面へ進む」→ 設定完了

DNS伝播には15分〜数時間かかる。Ghost側の管理画面を定期的にリロードして、「SSL証明書が自動発行されて緑色のチェックが出るか」を確認する。

SSL(HTTPS)は自動で発行される

Ghost ProはLet's Encryptの証明書を自動発行してくれる。DNSが正しくGhostを向いていれば、数分〜数十分で自動的にhttps://で接続できるようになる。手動の作業は不要だ。


公開設定とSEO初期値——TwitterカードとOG画像の要点

Settings → Meta data から初期値を設定する。

Meta title / description(デフォルト値)

個別記事に設定がない場合のフォールバックになる。サイト全体の雰囲気が伝わる一文を入れる。

Twitter / Facebook カード設定

Settings → Twitter card / Facebook card で、SNSでシェアされた時の見え方を設定する。

  • 画像: 1200×630pxを推奨(TwitterもFacebookも共通サイズで表示される)
  • タイトル: サイト名 or キャッチコピー
  • 説明: 読者が得られる価値を一文で

この設定は「あとでいい」と後回しにしがちだが、最初の記事をSNSで共有する前に済ませておかないと、カード画像なしのリンクが出回ってしまう。先に整えるのが正解だ。

robots.txt とサイトマップ

Ghostは sitemap.xml を自動生成してくれる。https://yourblog.jp/sitemap.xml で確認できる。Google Search Consoleに登録する際に必要になる。


最初の記事を書いて公開する

ここまで来たら、最初の記事を書く。

左メニューの Posts → New post をクリック

Ghost 5以降のエディタは「Lexical」という名前で、Notionライクなブロック式になっている。/ を押すとブロックメニューが出てくる。見出し・画像・引用・コードブロックなどを選べる。

最初の1本は「このサイトは何か」記事を置く

SEO戦略上、トップページ以外に「About」的な記事を1本置くと、検索結果からの流入時に読者が迷わなくなる。

公開前チェック3点

右上の歯車アイコン(Post settings)から設定できる項目。

  1. Post URL: スラッグがタイトルから自動生成される。日本語タイトルの場合は英数字のスラッグに手動で変えると管理しやすい
  2. Feature image: OG画像用のカバー画像
  3. Meta data: Twitter/OG用の個別設定(サイト全体の設定を上書きできる)

公開

Publish → Continue, final review → Publish post で公開完了だ。スケジュール公開したい場合はPublish日時を指定する。


次にやる3つ——メンバー設定・ニュースレター・テーマ

最初の記事が公開できたら、Ghostの真骨頂である3機能に進む。

1. メンバー機能(Members)

Settings → Membership から、無料購読・有料購読の設定を行う。Stripeと連携すれば有料メンバーから直接課金ができる。詳しい設計はGhostのメンバーシップ機能を日本語で解説した記事にまとめている。

2. ニュースレター設定

Settings → Email newsletter から、記事公開時のメール配信設定を行う。差出人名・メールアドレス・カバー画像・フッター文言などを設定できる。送信元ドメインの認証(DKIM)設定は、Ghost Proなら管理画面のガイドに従えば自動化される。

3. テーマ(デザイン)の選定

Settings → Design & branding → Change theme からテーマを選ぶ。デフォルトのCasperで始めて問題ないが、日本語サイトで読みやすく見せたい場合は和文に最適化されたテーマを検討する価値がある。日本語テーマ事情の現状をまとめた記事を参照してほしい。


まとめ

Ghost Proは「書くことに集中したい人」のための道具として、現時点で最もシンプルに整っている選択肢だ。

独自ドメインのDNS設定だけは少し手間がかかるが、一度済ませてしまえばGhost側が全部自動でメンテナンスしてくれる。サーバー管理・SSL更新・Ghostのアップデート——これらを全部忘れていい。

迷った時の判断基準を3つ置いておく。

  • プラン: Starter年払いで始めて、メンバー上限(1,000人)に達したらPublisherへ
  • ドメイン: .com.jp を1つだけ取る。後から変更はコストが重い
  • テーマ: まずCasperで書き始める。デザインの調整は後からいつでもできる

30分かからずに公開までたどり着ける。あとは書き始めるだけだ。


仕様・画面遷移は執筆時点(2026年4月)のGhost 6系を基準にした。Ghost本体のアップデートで細部が変わる可能性があるため、迷ったらghost.org公式ドキュメントを確認すること。